高齢者はいい意味でも反対の意味でも鏡です
介護職に従事して早19年程の年月が経とうとしている。
介護職に成りたての頃は自分も若くて、自分の両親も60代過ぎたばかりの頃。
自分の親よりも遙かに年上の高齢者を見ても他人事であった。
最近では高齢社会でデイサービスの車を見かけることも珍しくない。歩行器でやっと歩いているような高齢者や車椅子を自走する高齢者も多く見かけるようになり、時代の変化を感じている。
私が介護職に成りたての15年以上前は・・・というと、あまり元気ではない高齢者は引きこもっていた傾向が多く、街中で見かける機会は少なかった記憶がある。
よって、初めて介護職として病院に勤務した頃は寝たきりの人達や認知症状の強い人達を見て衝撃を受けたのを今でも鮮明に覚えている。
このような言い方は語弊があるが、自分は「こうはなりたくない」と年を追うごとに強く思うようになっている。
病院や施設に入所されているお年寄りは認知症や特別疾患を抱えており、常時介護を必要とする人たちである。身体機能の比較的高い人もいるが、大抵は歩行困難で歩行器や車椅子介助が必要だ。スタスタと歩けるような人でも認知症状によって判断能力の欠如があったり。兎にも角にも一人では銀行にもお店にも行けず、外出支援を必要とする。
病院や施設で提供される食事もパターンが大体決まっており、飽きる。
最近は高級な有料老人ホームも多々あり一概に言えないけれど、お食事はお世辞にも美味しいと言えるレベルではない病院や施設がほとんどと言っても過言ではない。
お金のある高級な有料老人ホームでは寿司職人を呼んで寿司を握って食べらせてくれるイベントもあるが、衛生面から生物は避けられる傾向にある。お刺身が出ることは滅多にない。
何が言いたいかというと病院や施設では当然ながら制限があって、少なからず自宅で比較的自分ペースで過ごされている一般の高齢者よりストレスやらモヤモヤを抱え込んでいる状況といえる。
介護の現場は常時人手不足で多忙である。ゆっくりお話を傾聴するとか、一人ひとりに向き合って…など、余裕はない。
今までたくさんの高齢者と接してきたが、大抵皆さんが口を揃えて発するのが
「いつお迎えに来るのかしら」
「何のために生きているのやら…」
「子供や孫、みんなに迷惑をかけて」とか、負の言葉を多く聞いてきた。
カワイイおじいちゃん、おばあちゃんも存在するが、高齢者って、こんなに頑固であまのじゃくで?わがままな生き物(失礼!)だったのかと最近は改めて思わされる。
自分も70・80になったら頑固であまのじゃく?わがままで若い世代を困らせるようなおばあちゃんになるのだろうか?いいや、なりたくないな。カワイイおばあちゃんが良いな。
出来るだけ自分の足で歩いて、自分の足で出向いたお店で自分の目で見た品物を買って、自分の家で好きなように過ごして、ボケないようにほどほどに勉強もして、友達にも会ってお話して、散歩を日課にして健康に気を付けて、食事も気を付けて過ごしていけたら良いな。というか、そのように過ごさねば。
申し訳ないが、特に気力のない高齢者の方を見ると切なくなる。
申し訳ないが、反面教師とさせていただく。
語弊はあるが、人生の先輩方の生き様は良い意味でも反対の意味でも鏡です。
参考にさせていただきます。
参考になります。